マーケティング

【要注意】ファンコミュニティの成功事例を真似しても失敗する本当の理由

ファンコミュニティを作れば、ファン同士が勝手につながり

自然にロイヤルカスタマーになってくれると思っている企業は少なくありません。
しかし、これは大きな誤解なのです

実際には、どれだけコミュニティを用意しても、ファンは勝手には動きません。

むしろ、企業が思うような形でファンが機能することはほとんどないのです。

その理由を詳しく解説していきます。

コミュニティが、ビジネスを動かす。 │ Commune(コミューン)


1. 自分の気持ちになって考えてみよう

あなたが大好きなアーティストやブランドがあるとします。

そのアーティストのファン同士で交流したいと思うでしょうか?
もちろん、ファンの中にはそうした交流を楽しむ人もいますが、

大半の人は「アーティスト本人の発信」だけに興味があるのではないでしょうか?
私もあるアーティストのファンではありますが、ファン同士の交流をしたいと思ったことはありません

企業が「ファンがついてくれた!」と勘違いするのは、もともと熱心なファンが情報を発信してくれていた人が、コミュニティに参加したに過ぎないのです。

もともと好きだった人たちが自主的に動いていただけであり、新しくファンになった人ではないんです!


2. ファン化には時間がかかる

企業が「ファンを増やしたい」と思っても、一朝一夕にはいきません。

ファンになってもらうには、最低でも3年ほどのスパンで考え、じっくり関係を築いていく必要があります。

そのために重要なのが、定期的な情報発信です。

メルマガ・LINE・X(旧Twitter)などのSNSを活用し、地道にコミュニケーションを取ることが大切です。

そして、それを続けるだけでなく、「有料級の価値がある情報」を発信することが求められます。

たとえば、週に最低でも1回は「思わずシェアしたくなる情報」や「知っておいて得する情報」を発信し続けなければなりません。

単なる宣伝やスタッフブログだけでは、フォロワーの興味はどんどん薄れてしまい
アクセス数も減少していき、期間が開くと驚くほど見られません。。。。

「これを何年も続けられるか?」と問われたときに
「できる!」と自信を持って言える企業はあるのでしょうか?


3. ファンも忙しい

ここで忘れてはいけないのが、「ファンも忙しい」ということです。

ファンといえど、仕事や家庭、プライベートの時間があります。

その限られた時間の中で、企業が「アンケートに答えてほしい」「ライブ配信に参加してほしい」「イベントに来てほしい」

と一方的に求めても、すべてに応えてもらえるわけではありません。
それに、ファンの中にもさまざまなタイプが存在します。

様々なタイプ

    • 情報を楽しみにしている人(ブランドの情報を純粋に知りたい人)
    • 暇つぶしで見ている人(興味はあるが、特に行動を起こすつもりはない人)
    • アンケートの特典やプレゼントを狙っている人(本当にそのブランドが好きかどうかは別)

このように、ファンといっても目的はさまざまです。

しかし、企業は「ファン=ロイヤルカスタマー」と勘違いし、ファンなら当然購入してくれるはずと考えがちです。

その結果、「アンケートに答えてくれた=ファン」「コミュニティに参加してくれた=ファン」と思い込むことが多くなります。

しかし、実際には「プレゼント企画に応募しただけ」「たまたま時間があったから参加しただけ」というケースがほとんどなのです。


4. 会員登録のハードルが高い

企業がファンを増やすには「会員登録」が必須ですよね?

しかし、個人情報をいろいろ入力しなければならない手間が面倒で、途中で離脱してしまう人も多いのが現実です。

特に、「売りたい商品があるから広告を出す」のではなく、「会員登録を増やすための広告」を出してしまうケースも少なくありません。

ココがダメ!

広告のための広告を出しているんです!

本来の目的は「商品を購入してもらうこと」だったはずなのに、途中で「会員登録が増えた=ファンが増えた」と勘違いしてしまい

最終的に購入にはつながらないという事態が起こるのです。


5. ファンは「作る」ものではなく「育てる」もの

ファンを増やしたいのであれば、「ファンを作る」のではなく、「ファンを育てる」意識が大切です。

そのためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  1. ファンコミュニティは勝手には育たない
    → ファン同士が勝手に交流し、ロイヤルカスタマーになるわけではない。
  2. ファン化には時間がかかる
    → 最低でも3年は地道な発信を続けることが必要。
  3. ファンの種類を理解する
    → すべてのファンが「購入してくれる人」ではない。
  4. 会員登録のハードルを下げる
    → 余計な情報入力を求めすぎると、離脱してしまう。
  5. 一方的なお願いをしない
    → ファンの時間を奪いすぎると、逆に離れてしまう。

まとめ

ファンは企業が期待するように自走してくれません。

ファンコミュニティを作ったからといって、そこに人が集まり、自然に商品が売れるわけではないのです。

ファンを増やしたいなら、まずは「ファンが求めているものは何か?」を理解し、長期的に価値ある情報を提供し続けることが大切です。

ココがポイント

「ファンコミュニティを作れば勝手に売れる」ではなく、「ファンと向き合い、じっくりと関係を築いていく」

という意識を持つことが、ロイヤルカスタマーを生む唯一の方法なのです。

始めるのは容易ですが、続けるためにどんなことをしていかなければならないのか、練りに練りまくる時間の方が大切です

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